コーポラティブハウス こころをかたちに Vol.06 - archinet コーポラティブハウス

こころをかたちに Vol.06

  • 01 暮らしに合わせて

  • 02 静かに私たちらしく暮らす

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住戸01 暮らしに合わせて

 「暮らしに合う」プラン

最初にホームページでプランを見た時は、気になった住戸が地下の住戸で、何となくデメリットが多いかと思っていました。でも、よくよく間取りを見ると、自分たちの生活に合っているような気になり、まず話を聞いてみようと思いました。「自分たちの生活に合う」と思った点は三つあり、一つ目が、プライベートの空間と、お客さんの入る空間が分かれていること。リース教室やお菓子教室など自宅で何かやりたいと思っていたからです。当時は子どもがいなかったので子ども部屋がないのも問題なかったですね。二つ目は、フラットなこと。以前戸建てにも住んでいましたが、室内の行き来に、階段があるのがいやでした。三つ目は、リビングとダイニングが分かれているところ。寛ぐところと、ご飯を食べるところがちゃんと分かれているプランがよかったです。

 素材は妥協しない

内装の素材は妥協しませんでした。床はヘリンボーン(※ツイードのコートやジャケットによく使われている山と谷の連続する柄のようにフローリングを貼ること。矢羽貼りともいう。) にしたいと思っていましたし、スチールサッシの割りや形も何度も打ち合わせしました。玄関からドライエリアまで長さのある壁があるので、本実仕上げ(※コンクリートを打つ際の型枠に杉板を使用し、杉板の模様をコンクリートに写す仕上げ)にして、長さを強調するようにしました。ドライエリアから入る光の感じも大事にしましたよ。家具や収納については、後工事にしてもらい、自分たちで造作しました。ドライエリアは、大谷石(※宇都宮北西部の大谷一帯で採れる石材。耐火性に優れ加工がしやすいため、建物の外装・内装材として幅広く利用されている。)の床に植栽を自分でアレンジしてみました。設計中はいろいろ迷ってしまい、決めきれなかった部分があるので、住み始めてから決めていくことにしました。今後もいろいろとやってみたいですね。

シンプルな照明の光があたたかいキッチン

シンプルな照明の光があたたかいキッチン

コンクリートの打設時の穴をいかして壁にも小物をかざって

コンクリートの打設時の穴をいかして壁にも小物をかざって

 日の動きに合わせたリズム

快適です。主人は「住んでいくうちに、より住みよくなってきた」と言っていますよ。地下は、室温が一定なので、夏場涼しく、冬は暖かくて過ごしやすいです。子供が生まれてからも、住みやすいと感じています。寝室のそばに水廻りがあるのが便利です。来客があれば寝室側を閉めれば済みます。家全体をキレイにするのは大変ですけど、半分だけで済むんです。思っていたよりも日が入りますね。朝日がパーッと入ってきますし、午後は西から日が入って、気持ちいいです。日の動きに合わせた生活リズムになってきた気がします。ドライエリアが広いので、洗濯物も余裕で乾かせますし、風も抜けていきます。

 暮らしの変化

大きく変わったのは、家に人が来ることが多くなったこと。もともとお菓子作り、リース教室、ホームパーティを家でやりたいと考えていましたが、それが出来るようになりました。他の組合員の方々も我が家に集まってくれることが多いんですよ。お母さん同士でリース作り、お菓子作り、忘年会と、交流は多いです。一つ上のお子さんがいらっしゃる組合員さんから、おさがりでお洋服を頂いたり、椅子を貸してもらったりしています。休みの日も、家に居ることが多くなりました。家でゆっくりしています。あと、今まで以上に家具に手を出し始めました。特に小物とかですね。この空間に合いそうなので、戦前の食器棚とか、ちょっと古い要素を足しています。

杉板の模様の壁がダイニングから外のドライエリアまで連続し、広がりのある空間に。

杉板の模様の壁がダイニングから外のドライエリアまで連続し、広がりのある空間に。

すっきりとした寝室。壁が少なく広がりのある空間。

すっきりとした寝室。壁が少なく広がりのある空間。

ドライエリアからの光が差し込むLDK

ドライエリアからの光が差し込むLDK

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住戸02 静かに私たちらしく暮らす

 参加のきっかけ

妊娠がきっかけです。以前は、中央区佃のリバーフロントに夫婦で1LDKのマンションに住んでいました。子どもができたので次の住まいを考え始めましたが、当時は賃貸にするか分譲にするか迷って、どちらでもいいかなという感じで、賃貸・分譲関係なく探し始めました。

 住まい探しの優先順位

優先順位が最も高かったのは都内であること。通勤に時間をかけたくなかったからです。二番目が子どもの育つ環境。自転車でいけるような距離に、地面に土がいっぱいあるような環境がいいと思いました。以前住んでいた中央区の広場は、人工のフカフカのクッション性がある道ときれいな芝生で、整備されすぎていた印象がありました。次が広さ。広いに越したことはないけれど、多少は我慢できるかなと思っていました。

 コーポラティブハウスしかない

物件を探し始めた頃、大阪の友人がコーポラティブハウスを建てたと聞き、そこで存在を知りました。デザインの自由度が広くて「これは素晴らしい」と思いました。もともと建築・インテリアが好きで、CasaBRUTUSも毎月購読しています。分譲マンションや建売も見に行きましたが、これに対して何千万円払うという選択はないなと思いました。だけど、予算的に新築戸建ては建てられないなと思っていたので、早速ネットで検索して、アーキネットのことを知りました。コーポラティブハウスしかないと思って、他のプロジェクトもいくつか見に行きました。八雲のプロジェクトは以前から見ていたんですが、参加者が半分以上決まっていて、もう残り四戸しかないと知り、「本当にこの予算でできるのかな?」と思いながらも現地を見に行きました。

ベビーカーがすっぽりと収まる玄関。大きな収納は洋服用に。

ベビーカーがすっぽりと収まる玄関。大きな収納は洋服用に。

大きな本棚に合わせ少し小さめにつくったテーブル。イメージ通りだったというレンガの壁。

大きな本棚に合わせ少し小さめにつくったテーブル。イメージ通りだったというレンガの壁。

 自分たちに合った計画地とプラン

計画地は明るくて、見学に行ったときは鳥の声がうるさく感じられるくらい、とても静かでした。当時住んでいた佃は車の音がすごいなと改めて感じましたね。こういう環境で、静かに私たちらしく暮らすイメージがわきました。最初はふたつの住戸で迷っていましたが、片方は他の人も検討中と聞いて、今の住戸のプランを改めて考えてみました。方位は西向きが良いと思っていたので希望に合っていましたし、参考プランもあったので、玄関を入ってきてすぐLDK、下の階に居室があって、小さい子を育てていく様子が想像しやすかったですね。玄関前にある専用のポーチも良かったです。平面が正方形に近いプランなので、廊下も省けて、無駄なくすみずみまで使えると思いました。

 北欧とニューヨークの間

仕様や素材など、サンプルをみては選択して、という感じで進めていきました。夫と私と好きなものは同じなので、選択に悩むことはなかったです。住まいづくりで大切にしたのは、まず明るいこと。床材もダークな色味は使わない。雰囲気は北欧とニューヨークの間くらいにしたいと思っていました。建具の素材も暗くないものに。壁のブルーは北欧っぽいけど「100%北欧!」という感じではなくて、もっとモダンでシャープなイメージにするため、手すりは黒のアイアンで。LDKの突き当りは当初の参考プランでは壁でしたが、明るくなるよう窓にしてもらいました。本当は木製のサッシにしたかったのですが、予算よりも高かったので、サッシはアルミにして、窓に木枠をはめました。

下の階は、部屋ごとにドアの色を変えて

下の階は、部屋ごとにドアの色を変えて

明るいキッチン。窓からはお隣の家の緑が見える

明るいキッチン。窓からはお隣の家の緑が見える

 無駄のない空間

間取りは、ほぼ元のプランのままで、空間を無駄なく使えています。上の階は50cmだけ下に掘り下げてスキップフロアにし、天高を3m20cmにしました。おかげで、隣地の建物が迫っているのに、冬でも下の階に直射日光が入ります。収納は足りるかどうか不安でしたね。洋服が多いので玄関のところにもクローゼットをつくり、衣替え用の収納に使っています。あんまりモノを持たない主義ということもありますが、充分な収納を確保できています。

 テレビから得たアイデア

夫のこだわりは、LDKのレンガの壁とアールになっている階段まわりの壁。レンガがあることで雰囲気が違いますね。レンガはサンプルを見て、イメージとぴったりだったのでその場で決めました。アールの壁にしたのは単純にかっこいいからです。レンガとアールの壁のアイデアソースは毎週見ていた「渡辺篤史の建もの探訪」でした。

 壁の色

壁の色は一か所だけブルーにしましたが、色味がなかなか説明しづらかったですね。出来上がりが思っていたよりもグレーっぽかったので、お金を出して塗り直しましたが、塗り直してよかったです。家具はもともと好きで、買う予定もないのにお店にいっていたくらい。テーブルはどうしようかなど、考えるのを楽しんでいました。ダイニングセットは前の家にはありませんでしたが、新しくつくってもらいました。本の量がかなりあって、絶対すっきり入れたいと思っていたので、本棚を大きくして、テーブルの寸法を既製品よりちょっと狭めてつくりました。

 実際に暮らしてみて

快適ですね。思い入れを持ってつくってきましたし、何度も打ち合わせしながらつくったので愛着があります。住み始めて、「やっぱりここはこうして良かった」という確認ができたのも、住まいづくりの楽しみを味わえた部分です。もともと考えていた住まいのイメージと相違なく、「広々と明るく静か」な住まいができました。

 安心感のある近所付き合い

戸建てのように一世帯だけだとすごく気をつかうと思いますが、それが全くないですね。近所付き合いも安心感があって、引越初日から助かりました。知った人たちが周りにいる安心感は何物にも代えがたいですね。住人同士の行き来は結構あって、総会のあとにどこかのお宅で夜まで飲んだりもします。夜10時に終わっても、すぐ家に帰れますしね。地域のいろいろな子育て情報ももらえるので、子育てするのにもだいぶ助かっています。

 路地の使い方

住人のみなさんで、ガーデンパーティをやりましたし、子どもが11か月の時に引っ越してきましたが、路地で歩く練習もたくさんしました。柔らかいボールでサッカーもしていますよ。住まいづくりは、最後の最後、引っ越すタイミングまでやって、やりきったという感じなので、次は子どもがモノを壊さなくなるくらい成長した頃に、改めて考えられたらいいなと思います。

再度塗り直したというこだわりのブルーの壁のリビングダイニング

再度塗り直したというこだわりのブルーの壁のリビングダイニング

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