住戸01 シンプルなハコ
子どもがきっかけの住まいさがし
結婚して、長男が出来たのがはじまりです。三田に住んでいましたが、ずっと住み続けるつもりはない。子どもの保育のことを考えるとなかなか引越しもできなくなる。そこで、ちょっと家でも見てみようというのがきっかけでした。
暮らしに合わせたフレキシビリティ
アーキネットのコーポラティブハウスにお住まいの会社の先輩の自宅にお邪魔したことがあり、他の物件の見学会にも参加しました。コーポラティブハウス以外にも分譲マンションや戸建分譲も見に行きましたが、しっくりこなかったんです。例えば、自転車を共用部に持ち込んでもいいですか?」「それはちょっと」といった具合で、暮らしに合わせたフレキシビリティがなかったんです。戸建分譲は分割した土地に1階は駐車場、2階はリビング、3階は寝室というありきたりのプランで、仕様もこだわりというには程遠くて。なんだか違うな、と思っているときに、御留山の担当プロデューサーからの案内があり「ご縁だ」と思いましたたまたま一戸、空いていたA住戸は、自分のイニシャルでもあり、気に入りました(笑)。
多様性のある目白という場所
共働きなので、東武線・西武線沿線に住む双方の両親のサポートを受けやすい所が良かったです。都心の便利さもありながら、緑も多いですし、高田馬場の賑やかなところ、目白の閑静なところのちょうど間で、土地の多様性が子どもにもいいのではないかと思いました。
建物の最初のイメージ
最初に訪れたのは、御留山の桜が満開の春でした。素人なので計画地だけでは具体的な絵は何にも見えていませんでしたが、建築家やプロデューサーから説明を受けたり、模型を見せてもらったりして、何となくこんな風になるかな、と背中を押してもらった感じです。
実際の空間の印象
最初のイメージと住んでからのイメージはずれていないですね。南向きの窓はありませんが、昼は 十分な光が入ります。夏はカーテンもせず、窓を開け放して過ごしています。施工までの期間が長かったおかげで、キッチンのレイアウトの変更も間に合いました。躯体の仕切りの位置もちょっと変えてもらいました。フレキシブルな選択ができるだけに、何かしら後悔することはあると思いますが、寸法・仕様が決まっている分譲マンションと比べれば、選択肢があることはいい点だと考えています。
子どもを見ながら
途中で長男が生まれ、入居後に二人目ができたことで生活は変わりました。モノの増え方が半端じゃないですね。子どもの行動を見ながら、階段にベビーガードをつけたり、対策もしています。住みながら自分で微調整できるのがいいと思います。子どもは二人まで想定していたので、1階の真ん中の部屋の仕切りを可動式にし、2部屋に分けられるようにしました。
家族の集まる2mの大きなテーブル。食事だけでなく勉強・遊びの場所にも
季節の花も、シンプルな空間のアクセントに
家族が集まるLDK
起きているときは家族皆、LDKに居ます。募集時の参考プランでもLDKは広く、自分の考え方と合っていました。子どもが大きくなっても、LDKで一緒に過ごしたいですね。勉強も、2mの大きなテーブルで一緒に見てあげられますし。シンプルな5×9mのハコを視覚的に見せたいと思ったので、階段の位置は南側に寄せました。1階はファンクショナルに、土間・寝室・水廻りをつくりました。内装や建具については、色はできるだけ使わないように配慮し、色は、家具やインテリアなどで、住んだ後に自分でつけていきました。仕上げはベーシックに、シンプルに見えるけれど実は手が込んでいるんですよ。壁はコンクリートの打ち放しで、2階の床は幅広で長いフローリング材を選びました。幅は180㎜、長さは1,800㎜、厚みは4㎜で、色に少し濃淡があって味わい深いです。
「適当」な使い方
主に2階で生活していますが、それぞれの場所はその時々に応じて適当です。食事はここ、子どもは向こう、仕事はその辺、デザートはテレビの前といった感じ。最初はL字のソファにコーヒーテーブルを置いて、なんてイメージをしてましたが、しばらく今の小さなソファのままでいいと思っています。広く空いているテレビの前にはプラレールを広げる場所もありますよ。
すっきりと見える理由
巾木は省きました。スイッチパネルはまとめて、きちんと揃えてレイアウトしました。工事の人は大変だったと思います。46インチのテレビは壁付けにしましたが、横から斜めに見ても問題なく見えますし、納まりも厚みがなく気に入っています。最初から電気などの配線を埋め込めるので、無駄な配線が必要ないのもすっきりと見える理由かもしれませんね。
「田の字」で寝る
寝室のベッドは、無印良品のクイーンサイズとシングルサイズのベッドをくっつけました。寝室はとても広いです。これだけの広さの部屋はあまりないと思います。川の字というより子どもと「田の字」で寝ています(笑)。
クローゼットは取手に金具を使いたくないと考えていたら、建築家の川辺さんが穴をあけるデザインにしてくれました。寝室には高窓があるのですが、前の通りを時々ミニバイクが走って、排気ガスが入ってくるのが残念ですね。
オリジナルのキッチン
使い勝手を想定しながら作ってもらいました。TOYO KITCHENで気に入ったモデルがありましたが、奥行きが750mmもあり、リビングの寸法が詰まってしまうのが嫌だなと思って。それで、奥行きが650mmのキッチンを、川辺さんにデザインしてもらいました。欧米標準サイズの食洗機(ミーレ)がキッチンにぴったり収まりました。奥が一段高くなっていて、水切り網を載せられるし、まな板もビルトインできる。シンクも幅が1m以上あるんですよ。壁にも収納をつけ、出し入れ式の棚の上に炊飯器、電子レンジを置きました。大きなゴミ箱も収まるようにつくりました。何でも置けるフリースペースを大きくとり、今はジャガイモなどの野菜を保管しています。また、収納の高さは、冷蔵庫の高さに合わせています。こういった仕様は、ショールームで採寸して図面に起こしてもらいました。
暮らしに合わせた収納
ピーコンの穴(※コンクリートを流し込む際の型枠を固定するため、壁の表と裏の型枠をつなげた金具の跡。)は全部ふさがずに、市販のステンレス削りだしフックをつけて壁付できるようにしています。スーツ、コート、保育園のバッグなどをかけています。シューズボックスは大きなハコで、中の割り方を調整できるようにしています。郵便受けとも一体になっているんですよ。中には傘を並べて掛けるためのポールもついています。
風が抜ける住まい
玄関に網戸をつけたのは正解でした。中庭に向けて開け放すと風が通るんです。南の階段から上にもっと抜けて欲しかったのですが、2階の壁側の窓を、デザインを優先してFIXにしたのが失敗だったかな。家をつくるのは楽しいので、もう一度やりたいです。
食洗機や冷蔵庫がすっきり納まったキッチン
玄関は、自転車の他に、帽子や鞄を壁付のフックにかけて見せる収納
家族全員で「田の字」に寝る寝室。将来的には収納でふたつの空間に分けられる。
大きな開口部から光が差し込むリビング。奥の窓が切り取る景色で季節の変化を感じられる。