コラム | archinet コーポラティブハウス

2025.8.22

氷室

江戸時代には氷は希少品でした。将軍に献上するために、加賀藩は大雪のときに氷室に貯蔵し、7月25日の氷室の節会に合わせて480㎞を4日で届けたそうです。多摩川でとれた鮎を江戸城に冷凍で献上するために、雪を貯蔵した蔵があったのが「雪谷」という地名の由来だそうです。暑いさなかですが、かき氷や刺身を、日常的に味わえる喜びを感じます。
こうした氷のない時代、日本家屋は、風遠し良く日差しを和らげるように作られました。その開放性と設えの融通性を継承したのが、近代住宅史上でも指折りの傑作、清家清氏の「私の家」です。50㎡のコンクリートの平屋は南側を大きく開き、扉のない室内に風と光を誘います。最小限の設備と可動式の畳に示されるように、世帯構成や暮らし方に応じて間取りも簡単に変更できて、私たちの計画のお手本でもあります。この「私の家」が雪谷にあるのも意味深いです。


この雪谷の高台に、新たに「雪谷テラス」を計画し、組合員を募集する運びとなりました。四季折々に過ごしやすい環境に、皆さんそれぞれお暮らしに対応した自由度の高い「私の家」を、ぜひご検討下さい。

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