コラム | archinet コーポラティブハウス

2025.7.23

寄り合い

宮本常一「忘れられた日本人 対馬にて」に、村の寄り合いのことが書かれています。古文書を宮本氏に貸してもいいか、といった課題が寄せられると村全体で集まります。そして一人ひとり、過去の事例や結果を平等に発言して三日ほどかけて結論を出す、といった様子が詳しく記録されています。村や町では、数百年前からこのような民主主義が根付いたことが分かります。
その一方、最近は、何年か一度の選挙、候補者を知るのは十数日、投票率は五割ほど、当選したら公約はないがしろ、という状況で、数百年前から続いていた寄り合いを基本とした民主主義からは、ずいぶん遠くなったものだと考えさせられます。
コーポラティブハウスでは、共有部について組合全体で協議し決定しています。皆さんが全体の長期的効用を尊重しつつ建設的に議論するご様子を思うと、これからの民主主義に可能性を感じます。

今週末 7月26日(土)、27日(日)に、コーポラティブハウスについて個別セミナーを開催いたします。コーポラティブ方式や建築家とのやりとり、そして民主的な組合運営の実際、などもご説明いたします。お忘れなく。

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