コラム | archinet コーポラティブハウス

2025.6.27

吉村順三

吉村順三のことばとして「名所等に建物を造るときやっぱり、土地の歴史とかローカルカラーとかいうものを織り込むべきだと思います。」「家は風景の一部になりますから、環境に責任をもたねばなりません。」が知られています。建築の良しあしをはかる物差しになります。
ここで土地の歴史とローカルカラーを、千代田・富士見を例にして読み解いてみましょう。九段坂の上は、西に富士山、東に房総三山を見渡す名所でした。一帯は江戸城至近の屋敷町で、武家屋敷は庭園などで敷地の半分が緑地でした。ふだんは江戸城に出仕して、お忍びで遊びに行くのは神楽坂。ある石畳の小路は、かくれんぼ横丁と名付けられる位です。
現在は、皇居、北の丸公園や内濠・外濠などの豊かな環境や神楽坂界隈の賑わいを残しつつ、かつての屋敷街は文教地区に代わっています。

こうした文脈を読み解いたように計画されたのが「千代田富士見テラス」。テラスの植栽と北側の公園を併せて、武家屋敷のように緑豊かな遠景・近景が現れます。そして開口部を大きくとり、坂上からの眺めを生かしています。この一つの建築が、緑豊かな都市風景をつくり、文武両道の人間味溢れた暮らしを育むことが期待されます。ぜひご検討下さい。

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