コラム | archinet コーポラティブハウス

2025.11.14

サケ

サケの遡上は、森や川に貴重なミネラル分をもたらします。産卵前後のサケは、クマやキツネ、ワシなどに捕食され、その余りや排泄物が森に還ります。川ではトビケラやヨコムシなどに摂取され、これらがサクラマスやイワナの餌になり、これらを捕食する鳥類を通じてミネラルの一部が土に還ります。ちなみにアラスカのイリアムナ湖では、リンの60%がサケに由来するそうです。
ところが日本ではダム建設と河川工事によって河床がえぐられ、サケの産卵面積を半減させています。遡上自体も妨げられます。遡上するサケも激減し、ドングリなども凶作になるので、これらを捕食するクマは飢餓状態に陥って人家に近づくという事態に至ります。
治水も、近年はダムや堤防の限界が明らかにされ、緑のダムとしてブナ林で貯留する、越流堤で水を逃がす、調整池や遊水池で受け止める、といった四百年前からの手法が注目されています。これならサケの遡上も回復するでしょう。
クマ被害の報道が相次ぎますが、根本の原因と対策は、治水のあり方なのでしょうか。

好評募集中の「雪谷テラス」、今週末・来週末に個別相談会を開催いたします。多摩川も近年は下水浄化や魚道確保などが奏功し、毎年百万匹を超えるアユが遡上して最盛期に近づいているそうです。雪谷は、江戸時代には多摩川の鮎を氷蔵する地だったそうで、川とも共生する豊かな暮らしをぜひ味わってみて下さい。

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