2025.11.10
木枯らし
木枯らしが吹き、冬の訪れを告げています。
このおりにふさわしい芭蕉の名句に
凩に匂いやつけし帰花
があります。凩はこがらし、帰花(かえりばな)は、小春日和に時季外れに開花した草木のことです。木枯らしはちょっと身に沁みますが、それで狂い咲きの花の色と匂いを鮮烈に感じさせてくれる、という逆説的な味わいが印象的です。こうした五官をすべて動員するように多面的な感受性を大事にしたいものです。
この11月15・16日に恒例の「コーポラティブハウスセミナー」を開催いたします。わたしたちは視覚的メディアに偏りがちですが、優れた建築空間は、そよぐ風、草木の香り、暮らしの音、無垢材の手触りなど、五官すべてに潤いをもたらします。そんな魅力をこのセミナーで感じ取っていただければ幸いです。
