コラム | archinet コーポラティブハウス

2022.9.8

養蚕の町

連休が続きますが、旅行先にお薦めなのが長野県東御市の海野宿です。
海野格子や出梁造りを特徴とする伝統的建造物約200棟が並ぶ趣きのある街並みが魅力です。
富を美しい都市景観に転じて、安直に商業化せずに継承していく地域社会のあり方にも感心させら
海野宿資料館でも紹介されていましたが、この養蚕業が支えた生糸輸出量のピークは1929年。
このとき全輸出品の価格に占める蚕糸類・絹織物の割合は44.0%、世界の生産高のシェア71.9%(1928-32年)を占め、工作機械等の輸入のための外貨を稼ぐ主力品でした。
そしてこの生糸の輸出先はアメリカがほとんどで、1928-32年で95.4%、1933-37年で84.9%(金額ベース)に達し、主にストッキングに用いられたそうです。
しかし養蚕・生糸業はその後一気に衰退しました。
その理由は、生糸の主要輸出先であるアメリカ相手に戦争を起こしたためと推測しています。
主要な輸出先を失えば、軍事産業のための機械も輸入できないのに、とその判断の愚かさに考えさせられます。

来る9月17日(土)、コーポラティブハウス個別セミナーを開催いたします。
皆さんの期待する暮らしを叶え、街並みを整えていく、そんな建築の魅力がお伝えできれば幸いです。
そして賢明なご判断に至るように願っています。

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