住戸01 大家族のような安心感

参加のきっかけ

参加前は建売の一戸建てを購入して住んでいました。それ以前はフランス、パリのアパルトマンに暮らしました。400年以上たった建築で、傾いた部屋でも重厚感があり、とても気に入っていました。それもあり、建売住宅はデザイン的に満足できていませんでした。建売住宅としてはグレードが良い方だけれど、素材感、例えばドアもペラペラで一生これで過ごすのは我慢できないと感じていました。近くに大規模マンションがどんどん建って、電車が凄く混んで通勤も大変でした。
このプロジェクトはいくつかの決め手がありました。まずは、二人の勤務先から近かった。また、地下住戸が無く、1F住戸に専用の庭がありました。子どもが生まれたときに戸建てで植えたオリーブの木を植樹できるのもきっかけでした。戸建てのときに他の物件も沢山見ていたので、すぐ参加を決められました。
住戸は、駐車場をぜひ確保したかったので、優先権のある住戸に決めました。

建築家と二人三脚で

専門的な知識はないので、仕上がりがどうなるか分かりませんでした。自分たちは素人だし、建築家が良いと考えたものが一番良いと思いました。キッチンも建築家のご提案でL字にしています。狭いけれど機能的で動きやすいです。
限られた空間に4人で暮らすので、プランの選択肢はあまりありませんでしたが、間取りは至ってシンプルにしました。建築家のおかげで迷わずに進みました。
素材はナチュラルというか、できれば無垢で、というのが念願でした。天井と壁の塗装は漆喰で自然な風合いにしています。床は床暖房をあえてなしにして、無垢材でヘリンボーン(※ツイードのコートやジャケットによく使われている山と谷の連続する柄のようにフローリングを貼ること。矢羽貼りともいう。)にしました。この床は家の中での一番のお気に入りです。キッチンの壁やベランダのハニカムタイル(※モザイクタイルの一種。正六角形のタイルなため、ヘキサゴンタイルとも呼ばれる。)は、タイル屋さん(名古屋タイル)で一目惚れし短時間で決めたものです。
全て短時間で迷いなく決めてしまうのも、忘れられないパリで暮らした部屋があるからかもしれません。実際ハニカムタイルは400年建築の階段部分に使われていました。




永く住むための工夫

子ども部屋は、空間を目いっぱい使っています。子どもの独立も考え、巣立った後は自分たちの趣味の部屋にする予定です。あえて一般的な子ども部屋のような作りにしていません。ですが壁の色は子どもに選んでもらいました。(Farrow&Ball)(※イギリスのペイントブランド。)
今も横長のテーブルに、私と子供で横並びに座って仕事と勉強を一緒にしています。子ども部屋と寝室は間仕切り家具(クローゼット)で仕切っていて、仕切りは後から取れるようになっています。
クローゼットは無印の押し入れボックスがちょうど入る寸法ですが、ボックスのサイズが多少変わっても対応できるように、建築家が気を利かせて寸法にちょっと余裕をとってくれました。

お気に入りのアンティーク家具たち

照明は、仕事で携わった展示会で使ったものを気に入って購入させてもらいました。キャビネットはアンティーク家具屋さんでボロボロの状態で買って、自分で磨いて棚板や壁紙を貼りました。キッチンとリビングの間の棚もアンティークで、設計期間中に主人が一目惚れして購入しました。どうしても入れたかったので、設計を調整し裏に電子レンジを入れたり機能がびっしり入っています。イスもソファーもアンティークで、戸建てに住んでいるときに買い揃えたものです。ソファーはテイストが甘すぎて、この家にはあまり合っていないので、いいものが見つかったら買い変えるつもりです。アンティーク家具は買ったお店に下取りしてもらうことができるので、使っていたものが、他の方のもとで活かされるのが良いですね。


ヘリンボーンのリビングには
お気に入りのアンティーク家具がならぶ
コンパクトにまとめた
使い勝手の良いキッチン

子どもたちを通したコミュニティ

歳の近い子どもたちはいつも一緒に中庭で遊んでいます。同じコーポラティブハウスの中で幼馴染ができて、仲良く一緒に小学校に登校しています。天気が良いとみんなで砧公園にも行きます。この夏は他のお宅のテラスで、テントを張って子ども同士でバーベキューとキャンプをしました。
上の子がピアノを習っているのですが、周りの子どもたちにも紹介して、今は一緒の教室に通っています。下の子はヴァイオリンを習っていて、一緒に習いたいと言っている子もいるそうです。ヴァイオリンでも同じ先生のところに通うことになるかもしれません。他の住戸のお子様もみんな練習するので、家の中で今のところは音を気にせずに弾くことができています。

大家族のような安心感

子どもが鍵を忘れたときに、お隣で過ごさせてもらったこともありました。乗り物や本のお下がりもあります。日中はお子さんが一人になる家庭もありますが、中庭で遊んでいるときに、誰かが自然と子どもを見てくれてたり、親の代わりのようになってくれたり、近所の協力があるので助かります。一人っ子やシングルマザーの方もコーポラティブハウスは安心できると思います。これはパリのアパルトマンの中庭生活ととても似ています。
不思議なんですけど、よその子なのに我が子のように可愛いんです。運動会ではうちの子のように応援しちゃいます。

心地良いご近所づきあい

長期出張で留守宅の鍵を預かって、窓を開けて換気したり、ルンバを動かしたり、郵便物の整理もしたりします。そのお礼に、出張先のお土産を頂きました。どこかのお宅に集まって飲む機会もありますが、帰る家が近くて良いですね。中国人の知人を招いた餃子パーティーを開いた方もいます。その時は、皮の作り方から教えてもらい、みんなで本場の手作り餃子を食べました。
プロジェクト期間中は苦しい時間もありますが、長期に渡るだけにに自然と関係性が出来たのだと思います。


オリーブの成長を眺めることができるテラス
テラスに面した明るいダイニングキッチン



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