住戸01 シンプルなハコ

子どもがきっかけの住まいさがし

結婚して、長男が出来たのがはじまりです。三田に住んでいましたが、ずっと住み続けるつもりはない。子どもの保育のことを考えるとなかなか引越しもできなくなる。そこで、ちょっと家でも見てみようというのがきっかけでした。

暮らしに合わせたフレキシビリティ

アーキネットのコーポラティブハウスにお住まいの会社の先輩の自宅にお邪魔したことがあり、他の物件の見学会にも参加しました。コーポラティブハウス以外にも分譲マンションや戸建分譲も見に行きましたが、しっくりこなかったんです。例えば、自転車を共用部に持ち込んでもいいですか?」「それはちょっと」といった具合で、暮らしに合わせたフレキシビリティがなかったんです。戸建分譲は分割した土地に1階は駐車場、2階はリビング、3階は寝室というありきたりのプランで、仕様もこだわりというには程遠くて。なんだか違うな、と思っているときに、御留山の担当プロデューサーからの案内があり「ご縁だ」と思いましたたまたま一戸、空いていたA住戸は、自分のイニシャルでもあり、気に入りました(笑)。

多様性のある目白という場所

共働きなので、東武線・西武線沿線に住む双方の両親のサポートを受けやすい所が良かったです。都心の便利さもありながら、緑も多いですし、高田馬場の賑やかなところ、目白の閑静なところのちょうど間で、土地の多様性が子どもにもいいのではないかと思いました。

建物の最初のイメージ

最初に訪れたのは、御留山の桜が満開の春でした。素人なので計画地だけでは具体的な絵は何にも見えていませんでしたが、建築家やプロデューサーから説明を受けたり、模型を見せてもらったりして、何となくこんな風になるかな、と背中を押してもらった感じです。

実際の空間の印象

最初のイメージと住んでからのイメージはずれていないですね。南向きの窓はありませんが、昼は 十分な光が入ります。夏はカーテンもせず、窓を開け放して過ごしています。施工までの期間が長かったおかげで、キッチンのレイアウトの変更も間に合いました。躯体の仕切りの位置もちょっと変えてもらいました。フレキシブルな選択ができるだけに、何かしら後悔することはあると思いますが、寸法・仕様が決まっている分譲マンションと比べれば、選択肢があることはいい点だと考えています。

子どもを見ながら

途中で長男が生まれ、入居後に二人目ができたことで生活は変わりました。モノの増え方が半端じゃないですね。子どもの行動を見ながら、階段にベビーガードをつけたり、対策もしています。住みながら自分で微調整できるのがいいと思います。子どもは二人まで想定していたので、1階の真ん中の部屋の仕切りを可動式にし、2部屋に分けられるようにしました。


家族の集まる2mの大きなテーブル。
食事だけでなく勉強・遊びの場所にも
季節の花も、シンプルな空間のアクセントに

家族が集まるLDK

起きているときは家族皆、LDKに居ます。募集時の参考プランでもLDKは広く、自分の考え方と合っていました。子どもが大きくなっても、LDKで一緒に過ごしたいですね。勉強も、2mの大きなテーブルで一緒に見てあげられますし。シンプルな5×9mのハコを視覚的に見せたいと思ったので、階段の位置は南側に寄せました。1階はファンクショナルに、土間・寝室・水廻りをつくりました。内装や建具については、色はできるだけ使わないように配慮し、色は、家具やインテリアなどで、住んだ後に自分でつけていきました。仕上げはベーシックに、シンプルに見えるけれど実は手が込んでいるんですよ。壁はコンクリートの打ち放しで、2階の床は幅広で長いフローリング材を選びました。幅は180o、長さは1,800o、厚みは4oで、色に少し濃淡があって味わい深いです。

「適当」な使い方

主に2階で生活していますが、それぞれの場所はその時々に応じて適当です。食事はここ、子どもは向こう、仕事はその辺、デザートはテレビの前といった感じ。最初はL字のソファにコーヒーテーブルを置いて、なんてイメージをしてましたが、しばらく今の小さなソファのままでいいと思っています。広く空いているテレビの前にはプラレールを広げる場所もありますよ。

すっきりと見える理由

巾木は省きました。スイッチパネルはまとめて、きちんと揃えてレイアウトしました。工事の人は大変だったと思います。46インチのテレビは壁付けにしましたが、横から斜めに見ても問題なく見えますし、納まりも厚みがなく気に入っています。最初から電気などの配線を埋め込めるので、無駄な配線が必要ないのもすっきりと見える理由かもしれませんね。

「田の字」で寝る

寝室のベッドは、無印良品のクイーンサイズとシングルサイズのベッドをくっつけました。寝室はとても広いです。これだけの広さの部屋はあまりないと思います。川の字というより子どもと「田の字」で寝ています(笑)。クローゼットは取手に金具を使いたくないと考えていたら、建築家の川辺さんが穴をあけるデザインにしてくれました。寝室には高窓があるのですが、前の通りを時々ミニバイクが走って、排気ガスが入ってくるのが残念ですね。

オリジナルのキッチン

使い勝手を想定しながら作ってもらいました。TOYO KITCHENで気に入ったモデルがありましたが、奥行きが750mmもあり、リビングの寸法が詰まってしまうのが嫌だなと思って。それで、奥行きが650mmのキッチンを、川辺さんにデザインしてもらいました。欧米標準サイズの食洗機(ミーレ)がキッチンにぴったり収まりました。奥が一段高くなっていて、水切り網を載せられるし、まな板もビルトインできる。シンクも幅が1m以上あるんですよ。壁にも収納をつけ、出し入れ式の棚の上に炊飯器、電子レンジを置きました。大きなゴミ箱も収まるようにつくりました。何でも置けるフリースペースを大きくとり、今はジャガイモなどの野菜を保管しています。また、収納の高さは、冷蔵庫の高さに合わせています。こういった仕様は、ショールームで採寸して図面に起こしてもらいました。

暮らしに合わせた収納

ピーコンの穴(※コンクリートを流し込む際の型枠を固定するため、壁の表と裏の型枠をつなげた金具の跡。)は全部ふさがずに、市販のステンレス削りだしフックをつけて壁付できるようにしています。スーツ、コート、保育園のバッグなどをかけています。シューズボックスは大きなハコで、中の割り方を調整できるようにしています。郵便受けとも一体になっているんですよ。中には傘を並べて掛けるためのポールもついています。

風が抜ける住まい

玄関に網戸をつけたのは正解でした。中庭に向けて開け放すと風が通るんです。南の階段から上にもっと抜けて欲しかったのですが、2階の壁側の窓を、デザインを優先してFIXにしたのが失敗だったかな。家をつくるのは楽しいので、もう一度やりたいです。


食洗機や冷蔵庫がすっきり納まったキッチン
玄関は、自転車の他に、
帽子や鞄を壁付のフックにかけて見せる収納

家族全員で「田の字」に寝る寝室。
将来的には収納でふたつの空間に分けられる
大きな開口部から光が差し込むリビング。
奥の窓が切り取る景色で季節の変化を感じられる


住戸02 食べる・寛ぐ・寝る

WEB を見たのがきっかけ

妻が建築業界に勤めていることもあり、家づくりに興味がありました。妻は、アーキネットの古くからの会員で、良さそうな計画を見つけては、何度も私に伝えてくれていました。御留山の募集が始まった頃、妻は仕事でロンドンにおり、WEB で情報を見て、私たちの住まい方に合いそうだというイメージを持ったようです。夫婦それぞれの実家に近かったことも好印象でした。

ぴんと来たプロジェクト

妻は海外で見に行けないので、計画地は一人で見に行きましたが、静かでいいと感じました。現地や街を見て写真を撮って、妻に連絡しました。私たちの希望の住戸には先約がありましたが、別の住戸に移られたという連絡をもらい、「縁がある」と思いました。妻は様々なプロジェクトを見てきたようですが、今回はぴんと来るものがあったようでした。

憧れの階段のある家

一番の決め手はプランです。マンションのような短冊型のプランは好きではなかったのですが、この計画は、各住戸のプランがユニークで、メゾネットであることが気に入りました。以前のマンションはフラットだったので、階段のある家が憧れでした。上下で分かれた場所があり、それでいて緩やかにつながりがあるのが良かったです。マルセイユのユニテ(※ユニテ・ダビタシオン。マルセイユに建つル・コルビュジェによるメゾネット住戸の集合住宅)も実際に見に行ったことがあるくらい、メゾネットは気に入っていました。それに、建物がコの字型で目新しかった。周囲の家と違って、建物の向きが道に正対して南西に向いているため、周りの家が斜めに見えて広がりを感じられるのも良かったです。

つくるプロセスに関わる

一戸建てでは限界がありますが、コーポラティブハウスには住戸の組み立て方や敷地の使い方に面白さがあります。隣近所との間柄も、いい意味で親密です。プライベートは守りつつ、子どもの顔も分かるし、会話もできます。 それに、つくるプロセスに関われることのメリットが、想像以上にありましたね。ヘルメットをかぶって工事現場を確認した時も将来のお隣さんと会えるのが楽しかったです。引っ越す頃には、みんな親しくなり、安心感がありました。今でも何かと集まりますよ。

アイデアをぶつけ合う

建築家の川辺さんの作品をみて、ツンツンとしてなくて、素材感や柔らかさがある印象を受けました。寛ぐ、休む、という家なので緊張感はなくていいと思っていましたし、川辺さんのすっきりしたデザインを気に入りました。設計・施工を通して非常にいい設計者・施工会社に恵まれました。押し付けではなく、アイデアをぶつけ合い混ぜていく。普通、施工会社は中立的な立場ではないでしょう。「高い」「間に合わない」「良くない」と提案が消されてしまう。そういったことはなかったです。判断を迷う時は、プロデューサーに相談できたので、精神的に心強かったです。建てている間の一年間、ロンドンの妻には、仕様決めや寸法合わせのための報告書を、都度作成して送りました。課題が整理でき良かったと思います。


東側の光が差し込む、ガラスブロックのスリット。
階段のトップライトからの光も明るい
夏は裸足で過すフローリング。
お気に入りの食器が並ぶ棚がリビングから見える

「食べる」「寛ぐ」「寝る」

住まいづくりの基本方針は、大きなボリュームがあり、自由な使い方ができる、ということでした。夫婦二人で、共働き。家では、「食べる」「寛ぐ」「寝る」の三つが繰り返されますが、それらの間を仕切らずに、ずるずると移り変わるように過ごしたいと思って。二人が好きなことを好きな場所でやっていても、お互いの空気感が伝わってくるように考えました。照明は、納まりを意識して、設計の方に図面を描いてもらい、時には妻が原寸の図面を描いて作っていきました。他の組合員の方々に比べて、私たちはいち早く高齢者になりますので( 笑) 、調光などで居心地良く過ごせることを特に意識しました。例えば夜、目が覚めないように明るすぎず、それでいて足元に不安なくトイレに行ける、水も飲める、といったように。

気持ちよく暮らすヒント

素材感や手触りも大事にしましたね。手触りのいいものを床や壁の材料に選びました。ざらざら、がりがりせず、堅すぎないで、あたりの優しい材料をひとつひとつ選びました。フローリングは愛着があるメイプルで、きめの細かい材料で木目がはっきりしないようにしました。気持ちがいいので、夏は裸足で家中べたべた歩いています。壁は珪藻土。夏、湿度を調整してくれて、少しでも快適になるようにと思って選びました。音の反射も柔らかいですよ。以前のマンションは最上階で、とても暑かったのですが、今は外断熱で屋上も断熱しているので暑くないです。家が坂の途中にあるからか、上からも下からも風が通りますね。冬は床暖房だけでエアコンはほとんど使いません。ドアノブや蛇口なども一つずつ探し歩いて決めていきましたので、一つ一つに愛着が湧いて、掃除も苦になりませんね。

ふたりで立つキッチン

キッチンは、二人で立つこともあるので、とても大切な場所です。広くとって、お互いがぶつからないようにしました。食器棚は、以前から使っていたものをそのまま使い、寸法を合わせました。吊戸棚は、お気に入りの食器でいっぱいです。季節物や来客用の食器は上の方に置いています。骨董も好きなので、友人の陶芸家の小物を置き、見て味わう。気に入ったものが少しずつ増えていくのも楽しみですね。


寝室は、壁に収納されている障子で明るさを調整できる
やっと見つけたというこだわりの水栓

光で感じる季節の変化

リビングでこだわったことは、仕切りがなく閉塞感がないことです。光の角度が変わってゆくことで季節を感じます。東からの光を入れたかったので、教会建築のスリットをイメージして、壁にガラスブロックのスリットを入れました。そこから入る光、ゆらゆらと見える景色が美しいです。冬至の頃は、光が向かいの壁に当たり幻想的でした。施工が大変だった様ですが、壁の交わる角をアールにしてもらったおかげで、光がグラデーションになり優しい感じがします。

身近な緑を感じる

洗面所の高窓から緑を眺められて、お隣の家に感謝です。緑がすごく身近に感じられますし、朝は鳥の声で目覚めます。洗面所の水栓は、グースネック(※ガチョウの首のように湾曲したデザインが特徴の水栓)にこだわりました。キッチン用より小ぶりで探しに探してやっと見つけました。高かったですが、なめらかに動くところが気に入っています。空気を含んだ水が出るので飛び散らないのもいいですね。鏡は、顔がよく見えるように、調光で上下左右から光が回ってくるようにしています。 

お隣の子どもの成長が楽しみ

お隣のお子さんが大きくなっていくのが楽しみです。ご近所の空気感が中庭を通して感じられます。偶然会うと「○○ちゃん、小学校行ったなあ」「○○ちゃん、大泣きしていたね」「女の子だから自転車のヘルメットをかぶるのが嫌なのかなあ」とちょっとした立ち話になります。ベビーカーの上げ下ろしを手伝ったり、朝の出がけに挨拶をしたり、近すぎず遠すぎず、お互いにちょうどよい距離感で過ごしています。一緒に設計を進めて時間をかけながら、みんなで頑張ってきたからでしょうか。竣工間際に、近所から工事音のクレームがあり、みんなで説明に行ったことも連帯感につながりました。何かあった時は、みんなで一つになれる、という信頼が醸成されましたね。

毎日開け閉めする障子

寝るだけの部屋ではなく、寛ぐ場所。歳をとると、寝転んで過ごすことが増えるので、大事な場所です。障子は、寝ているときは閉め、起きているときは開けています。雰囲気の変化が楽しく、毎日開け閉めしています。元々、日本家屋の素材が好き、吉村順三さん(※日本の建築家。伝統と風土に合った住宅や建物を設計した。代表作は軽井沢の山荘など)が好き、 と川辺さんにお伝えし、障子を入れました。光がちょっと漏れてくるのもいいですし、朝の光を遮るために内側に板戸もついています。カーテンは葉っぱの柄で、葉っぱの形の光と影を楽しめます。最初のプランでは今の寝室の場所はキッチンでしたが、光の変化を楽しめる場所なので寝室にしました。冬は、昼寝の時に布団がポカポカしていて気持ちがいいです。 

実際に暮らしてみて

坂道は毎日の鍛錬、慣れてきました。高田馬場は、川沿いに学校や呑み屋街などがあって人間臭い。一方、目白方面は、高級・上品で落ち着いていて、 雰囲気の違いが楽しめます。家の中では、光の移ろいで季節の変化を実感できます。いい光が入ると趣味の写真を撮ります。四方向から光が入る豊かさは、何物にも代えがたいです。川辺さん提案の高い位置の開口から、空や坂の上の緑が良く見えます。下の階は夏でも涼しく、逆に冬は上の階で太陽の暖かさを感じます。今年は、御留山公園からでしょうか、ウグイスが来ました。住んでいる人たちも自然が好き。タヌキも暮らしているのですが、坂を上がってきて、専用庭の扉の下から入って通り抜けていきます。でも誰も通報はしません、共存しています。 



階段の段の間からも光が入っている
角がなめらかなアールになっているリビング。
珪藻土の柔らかい質感の壁
洗面所の鏡の上からはお隣さんの緑


住戸03 日常における非日常

何度も見に行った計画地

住まい探しは、結婚がきっかけでした。私は知りませんでしたが、主人はコーポラティブハウスを知っていて、数社をチェックしていました。御留山という場所に決めたのは、私の仕事場に近かったというのが大きいです。目白は、相場が高く、簡単には買えないような場所ですが、予算もお手頃だったので、何度も見に行きました。最初はこの坂!?と思いましたが、エリアは気に入りました。新宿や池袋も近くで便利ですし、高台で新宿の夜景も見える。御留山公園や野鳥の森など、閑静な住宅街の中に緑が多いのも気に入りました。商店街がちょっと遠いのですが、住みよい街だと思います。公園によく行きますね、週末は子どもを連れておにぎりを持参して。春には坂下でお花見をしますし、池にはカモや、夏にはホタルもいて楽しめます。坂はいいエクササイズになっていますね。

日常における非日常

ゆったりと暮らしたい、が住まいづくりの基本でした。1 0 0 u超と大きく、当初は3LDK のプランでしたが、2LDK にしました。広々ベッドルーム+広々リビング+ゆったりお風呂でホテルライクに、和室は旅館風にしました。広いお風呂はジャグジーで、掃除や水道代などが気になりましたが、「日常における非日常が大事」というのが主人の考え方でしたので、ホテルのスイートルームのようなお風呂にしました。丸い浴槽でジャグジーがついています。浴槽が大きい分、洗い場が狭くなりましたが、主人はたまに泡を出していますし、私も休日の朝はジャグジーでゆっくりしています。大きい窓で、風が気持ちよく入ります。空を見ながらお風呂に入るのは最高ですね、主人もビールを持ち込んで長風呂しています。もっと広くても良かったかな。

家族形態に合わせて

子どもが大きくなったら、ウォークインクローゼットを子供部屋として使うと思います。今はプラン通りに、家族形態が変わったらゆっくり手を付けていこうと思います。今は広々と使っている部屋は、将来簡単に仕切れるように工夫しています。テラスは、休日をゆったり過ごしたり、朝ご飯を娘と二人で食べたりもします。外が良く見えて、空が広く感じられます。星や、月食、日食も眺めて楽しめましたし、隣地の保存樹林にやって来る鳥の声も聞こえて、風も心地よいです。


テラスの光が差し込むリビング。
キッチンから子どもが遊んでいる様子も見える。
お風呂と手前の洗面所の天井は板張り。
ホテルのような空間

住んでいた作家へのオマージュ

この土地に前に住まわれていた作家へのオマージュとして、残されていた建物の解体で出た板を和室の床の間に使いました。和室は、その作家にあやかり十返の間と呼んでいます。作家の原稿や色紙も手に入れて、書斎の机のガラス板の下に飾っています。和室は、今は客間として、母や妹が泊まるのに使用したり、娘の節句のときには、お雛様を飾りました。家具はハンス・ウェグナーのザ・ボウルです。多少値が張りますが、長く使うものなので選んで良かったと思います。設計は、細かい部分は主人が全部決めました。木の温もりを持たせたかったので、コンクリート壁も杉板本実型枠(※コンクリートを打つ際の型枠に杉板を使用し、杉板の模様をコンクリートに写す仕上げ)にこだわりました。川辺さんにうまくコーディネートしてもらって、打ち合わせはトントン拍子で進みました。

家具から全体を考える

キッチンに私が希望したのは食洗機があれば、というくらい。広くしたかったので、カウンターにしました。おかげで作業がしやすいです。小物は全て主人が選びました。ハカリのベンツといわれる寺岡のハカリもあります。コーヒーメーカーはデロンギ。キッチンの高さについては、私が決めました。無垢材のテーブルはインターネットで買いました。椅子はこの家のために、デンマークから直輸入したハンス・ウェグナーのザ・チェアです。先に家具を決めて、そこから全体のコーディネートを決めていきました。ソファもこの家のために新調しました。主人は趣味がいいと自負していて、こだわりがあるので、私は口を挟めませんでしたね( 笑)。

集まって住む意義

最初、コーポラティブハウスは色々と大変かと思っていましたが、みんな同じような価値観で、住みやすいです。震災のときは、飲み水をご近所の方に分けてもらって心強かったですし、子どもと二人きりで悶々としている時も、ご近所のご家族がいらっしゃって気が晴れたりする。ちょうど昔の長屋の感覚でしょうか、遠い親戚づきあいのようです。以前住んでいたマンションでは、隣の人の顔も名前も知らないで暮らしていましたが、約二年の期間、一緒にプランをつくってきた仲間同士、話もよくするけれど、べたべたはしない、ほどよい間柄ですね。アメリカ駐在になられるご家族がいらっしゃり、お別れ会で花火をしましたし、「小学校はどう?」といった他愛もない話ですが、会えば立ち話を2、3 分しますね。以前暮らしていたマンションではありえなかったです。家の中に入ると静かで隣の物音は全くしません、そこはマンションとは違いますね。

六という数がちょうどいい

管理総会では、ピアノを弾くのは8 時までとか、新しく車を買ったから駐車場を使いたいとか、組合費はいくら、といったことをみんなで集まって決めます。この間は下の住戸の方が、お庭の地面が傾斜していて使いにくいので工事をしてテラスにしたいというお話で、スムーズに進んでいます。理事の家に集まりますが、六世帯なので気軽に集まって相談できます。六という数がちょうどいいですね。

家から出たくなくなった

ちょっとした後悔は、キッチンはもっと広々、バスルームももっと大きくしたら良かったかなというぐらいでしょうか。それでも、主人の悩みは「家から出たくなくなった」ですけどね( 笑)。


すっきりとした寝室は、枕元にスイッチを設置。
寝たままでも操作できる
以前の建物の解体で出た板を使った床の間

高さの異なる窓から明るい光が入る広いキッチン。
ご主人のこだわりの小物が並ぶ
スイートルームのような大きく丸い浴槽


住戸04 仕切りのない家

家は一生もの

引っ越しを考えていたとき、他のプロジェクトで出ていた看板で、アーキネットのことを知りました。家は一生のものなので、家族のこだわりを形に出来ればと漠然と考えていましたが、ハウスメーカーでは、家づくりといってもリストの中から壁紙の色味や電気関係などを選べるというくらい。御留山プロジェクトでは、川辺さんと一緒にゼロからひとつずつつくっていけたので、思い描いた考えをすり合わせて、形にしていく貴重な体験ができました。

思いを形にできた

南からバーッと光が入るのではなく、優しく光が回り込む住まいがいい、部屋ごとに完全に仕切らず、目線が切れるようにしたい、直接的な明かりをつけたくない、といったこちらの要望に対して、スタッフの方々がきちんと応えて下さり形になりました。住んで一年半が経ち、やっと自分の家になってきた感じがします。服で言えば着られているのではなく、馴染んできた感じ。子どもの成長もあって、テラスに収納があれば良かったなと思いましたが、とても快適です。住みたい場所が明確でこんな家に住みたいというものが頭の中で形になっている人には、コーポラティブハウスはとても良いと思います。

馴染みのあった計画地

子どもの頃、近所の中学校に通っていて馴染みがありました。目白は御留山公園など新宿区でも緑が多いエリアですね。高田馬場は賑やかですが、新目白通りを越えると閑静で、住環境として申し分ありません。アーキネットの物件をホームページで見たとき、分譲マンションに比べてスタイリッシュというか、住んでみたいなという気持ちにさせるものがありました。図面をみて、更にいいなという印象を受けました。

設計の進め方

打ち合わせでは、いろいろ要望を出させて頂きました。上のフロアは日中に過ごすLDK、下のフロアは夜に過ごす寝室・水廻りやトイレ・執筆用のスペース、と上下で使い分けできるようにお願いしました。上はフローリング、下はカーペットで内装の趣も変えました。上のフロアには犬がいるので、傷が目立たないようにフローリングは合板で、一番上の層の板が厚いものを入れてもらいました。こういうことは出来ますか?とご相談すると、その要望がどんどん発展して姿・形を変えていくんです。川辺さんの提案で最初に驚いたのは、当初のプランから「ドライエリアの位置をこう変えましょうか」「夜寝るとき落ち着くように、天井の高さも変えましょうか」と言われたことです。結果的に、下のフロアは天井の高さを抑えた分、居心地がとても良いんです。


ダイニング。床から天井までの壁がないため、
どこにいても家族の気配が感じられる
階段の上のトップライトから明るい光が階下まで差し込む

自分の居場所がつくれた

以前の家は、100 u以上と広かったのですが、自分なりのスペースがない間取りで、玄関とリビングが直結していて全部が丸見えの状態でした。キッチンも広すぎて、ボウルをとるにも5 歩ぐらい歩く必要がありました。そんな経験から、こっそり隠れられて自分も落ち着ける、でも気配も感じられる、そんな自分のスペースをキッチンにも下のフロアにもつくってもらいました。仕切りがないので、ちょっと横になりたいときでも、寝室でぱたっと休めます。風呂は引き戸ですし、ドアがあるのはトイレぐらいですね。自分のスペースは、ミシンを置きっぱなしにできますし、息子や主人の気配も感じられる聖地です。スペースがいくらあっても、自分だけの居場所がないとだめですね。こういう要望は、なかなか一般のマンションでは聞き入れてもらえないでしょうね。犬を飼える環境リビングは、テレビもあって犬もいて、なんとなく家族が集まっていられる場所ですね。子供部屋としても使えます。家全体が仕切られていないので、どの部屋もいかようにも使えるんです。ラブラドールを飼っているのでマンションでは家選びの選択肢は狭まります。ですが、コーポラティブハウスだと、事前に皆さんに大型犬を飼っているとオープンにして、総会などで一緒に話し合い、飼い犬のことも認識してもらえます。マンションだと周りに気を遣いますし、小さい犬はOK だけど、大きな犬は規約上ダメと制約が多いんです。

たくさんのお父さんがいる

マンションでは、お隣さんの顔は分かるにしても、一緒に食事をする機会はまず無いと思います。ここでは、子どもがたくさんの「お父さん」に構ってもらえます。ご近所のお父さんの言うことはよく聞きますね。住人の皆さんも分け隔てなく接して下さいますし、うちは一人っ子ですが、ご近所に小さいお子さんがいることでお兄さんっぽくなってきたなと感じます。長屋のような感覚で、ご近所の方々に育ててもらっていますね。帰宅時には、誰かの声や音が聞こえて安心しますね。マンションや戸建てだと、帰ってきたときに無機質だけれど、ここは夕食のカレーの香りなどがして、本当にほっとします。気持ちを和やかにしてくれる得難い環境です。

住んで分かるプラスα

緑が多いせいか、別荘地のような香りがします。秋にはドングリも落ちてきて、四季を感じます。トップライトから光が階段に落ちて、さらに洗面所と妻のスペースに分かれて注ぎます。南に向いていない分、光が差し込むことに配慮して頂きました。トップライトから金環日食も見えたんですよ。部屋が仕切られていないので、子どもがボーダーレスに動き回ります。家中を使って遊んでいてすごくいいと思います。子どもの成長にあわせて後で空間を変えることもできます。夏場、下のフロアは涼しいし、冬場は日差しが低く木漏れ日が壁にうつります。木漏れ日、ドングリ、もみじ、鳥のさえずり、住んでみると色々なプラスαがありますね。

友人に紹介したい家

目白でこれだけの広さだと、マンションでも相当な費用が必要です。それが駐車場も付いて、自分の考えていることが組み込めて、マンションよりも安いというのは魅力だと思います。提供されるものをそのまま受け入れることに抵抗がない方なら別ですが、自分なりのこだわりがあって、根気よく打ち合わせできる、週末もみんなと話し合える、そういう人にはコーポラティブハウスは良いと思います。本当に良いものをつくって頂きました。私はたまたま看板を見たのがきっかけでしたが、友人にも紹介したくなりますね。


奥から寝室・書斎・子供部屋。
地階は天井高を抑え、落ち着ける空間に
異なるタイルの形も空間のアクセントに
奥の子供部屋とゆるやかにつながる書斎


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