コーポラティブハウス こころをかたちに vol.9 - archinet コーポラティブハウス


  • vol9

住戸01 人の集まるリビング

参加のきっかけ

二人目の子供が生まれて手狭になったのがきっかけで、自由が丘、都立大学エリアを中心に探していました。注文住宅か中古マンションリノベーション、自由設計を検討しましたが、戸建てだと土地代が高く、中古マンションリノベーションだと、築20〜30年になっていて管理費や修繕費もかかり住んでいる人たちと世代も違う。そんな中でコーポラティブハウスを知り、他社の説明会に参加しましたが、ありきたりのマンションタイプでピンときませんでした。アーキネットの募集プロジェクトでこの企画を知り、(建築家の)鹿嶌さん、佐藤さんと面談した際に、「構造上無理のない範囲で柔軟に対応する」というお話で、「これはいい」と感じました。

イメージは広いワンルーム

理想は広くてワンルーム、高い天井、というイメージがありました。この住戸だけはほぼワンルームで広くて正方形で、囲むようにドライエリアもあり気に入りました。鹿嶌さんが、「(自分たちの)設計事務所として使ってもいい」とおっしゃっていて、それほどいいのなら、と感じて決めました。アーキネットで竣工した都立大テラスを見たときに、離れのある家、ドライエリアのある暮らしもいいと思いました。等々力の街も、子育て環境として魅力的で、自由が丘や二子玉川へのアクセスも良く、便利です。

スクラップブックでイメージを共有

インフィルの打ち合わせの際には、テイストを伝えるためにスクラップブックを持っていきました。BRUTUSなどを参考に、アメリカの倉庫をイメージしていました。言葉や図面だけでは伝わらない部分があるのでスクラップブックはコミュニケーションツールとして役立ちました。妻の要望としてはもっと生活感をというもので、コンクリートのキッチン、回遊できる間取り、子供の動きが見渡せる環境、をベースに細かい点は夫が決めました。

ドライエリアに開いた浴室

床をコンクリートにしたのは思い切りましたが、普段は絨毯を敷いています。キッチン後ろの壁面は、全て足場板と古材でつくってもらいました。上部まで全て収納なのは、出来る限り広くするためで、武蔵小山のトランシップに依頼して、ダイニングテーブルもつくってもらいました。鉄骨階段は(建築家の)佐藤さんの力作です。お風呂をウッドデッキに、というのも建築家の提案でした。1階の寝室については将来二人の子供で分けられるように設計してもらいました。設計の時間がとても楽しく、鹿嶌さんたちみたいな建築家にお願いできて良かったと思います。

ドライエリアもお子様には遊び場のひとつ。 浴室とつながるベンチでアイスやビールを楽しむ
採光も兼ねた設備スペース(浴室の右手扉)。
左手扉はリビングへとつながる。
回遊できる動線は大人も子供も嬉しい

暮らしてみて

テレビがなくプロジェクターにしているので、部屋を広く使えます。回遊性もあって子供たちにとっても飽きない空間のようです。都内でこれほど広くて予算も合う、というのは一番の魅力だと思います。反省点は、コンセントをもう少し増やしても良かったのと、ドライエリアに水栓をつければ良かったという点です。最初は加湿器をつけていてカビが生えてしまいましたが、除湿器を使うと良いと、住民の方から教わりました。室内はとても静かで雨にも気づきません。台風の時も全く分からなくて、なんで幼稚園が休みなのかと思ったほど(笑)住んでみて一番良かったのは、お風呂。子供たちと毎日1時間ほど入っています。子供たちは幼稚園から帰ってきて、すぐにお風呂、そしておやつ。生活のリズムに入っています。アイスクリームをこぼしても大丈夫ですし、大人もお風呂でビールを味わう。とても気に入っています。

人の集まるリビング

1階は寝るだけで、基本は地階リビングでみんなでガチャガチャしています。幼稚園の友達も頻繁に遊びにきてくれます。先日、出張シェフにお願いして、20人ほどのホームパーティをしましたが、賑やかになっても外に響かないので安心です。夏は、ドライエリアに3mの大きなプールを出します。子供たちはいつもキッチンに(見てくれる)人がいて安心ですし、宿題もここで片づけることになると思います。

最後に

年に数回、草むしり大会で住民のみなさんと顔を合わせます。ハーブを植えようというアイデアも具体化されて、そういった想像の幅が今後も広がっていくのが楽しみです。

L字型のドライエリアに囲まれたリビング。 時間の移ろいとともに動く陽だまりが心地よい
1時間入るのが日課となっている、
ドライエリアに面したバスルーム
L字型の思い思いの場所で寛ぎながらも、
お互いの気配を感じるリビングダイニング
建築家とのイメージ共有のため活用したスクラップブックは、
家づくりの大切な思い出のひとつ


住戸02 日だまりを彩る色壁

参加のきっかけ

以前は、大規模分譲マンションに住んでいましたが、靴や洋服が好きな自分たちには一般的なマンションの収納量では全く足りないことや、南向きと謳っている割には日中リビングに陽があたらないことが不満でした。そのため時間を見つけてはインターネットで物件を探し始めました。ちょうどその頃偶然乗った電車の中吊り広告で、コーポラティブハウスの存在を知りました。戸建て志向はなかったのですが、調べるうちに自分たちのこだわりの収納をかたちにできるところがコーポラティブハウスの魅力だと知りました。当時は、駅まで徒歩15分以上の分譲マンションに住んでいて毎日大変な思いをしていたので、駅まで徒歩10分以内という条件も設けていました。同じ時期にアーキネットでは尾山台のプロジェクトも募集していましたが、等々力のほうが条件(駅距離)に合うということで決めました。等々力は婚姻届けを提出した思い出の街でもあり、緑が丘に住んでいた時期もあったので帰ってきたという感じです。

家づくりの3つの方針

戸建てに住んだことがなかったので、階段のある家は初めてでしたが子供も大きくなっており大丈夫だと判断しました。1階と地下の居住区画ということで、地下に湿気が溜まるのを懸念し、入居半年前(梅雨の6月頃)から除湿器を2台購入して準備万端で引き渡しを迎えました。家づくりの方針としては大きく3つ、「収納力」「日当たり」「色壁」です。1つ目の収納力については大容量で、極力生活感のあるもの・不要なものは目に見えないようにしたいと考えました。服の写真や収納するであろうものをあらかじめ写真に収め(建築家の)鹿嶌さんたちに送り伝えました。2つ目の日当たりについては、当時のマンションは朝から照明を必要とする間取りだったので、日中は太陽の明かりで生活したいと(建築家の)佐藤さんに相談しました。プロジェクトに参加したタイミングが他の住戸よりかなり遅れていたため、建築家との打ち合わせは毎週のように行いました。3つ目の色壁については、当時住んでいたマンションの壁・床が白系統の色調で汚れが目立ちやすく、快適に保ちにくいと感じていました。色壁にするにあたり、いろいろなメーカーのカラーチャートを取り寄せて色を選びました。最終的に地階はピンク、1階はブルーに決めました。

暮らしてみて

慣れない階段には四苦八苦しましたが、今は帰ってくるのが楽しく満足しています。駅から近いのもやはり正解でした。冬の寒さは気になりますが、夏の暑さはさほど感じず快適に過ごしています。最近はご近所付き合いも薄いと感じる世の中ですが、上もお隣も知り合いというのは安心です。6世帯というのが、ちょうどいいと思います。

ソファの高さに合わせて作りつけた収納家具。
階段との緩やかな間仕切りの役目も
なるべく白を避けた色使い。
壁や建具に合わせてコンセントプレートもグレーに

ソファよりついつい窓際の陽だまりで寛いでしまう

お子様部屋はコンパクトながらも
お気に入りがたくさん集まった空間
光の加減によって表情の変わる色壁の主寝室。
クローゼットは湿気がこもらないよう上部を開放している

住戸03  ひとつひとつ丁寧に

参加のきっかけ

きっかけは普通で、「家が欲しい」と思っていました。東急沿線の落ち着いた街の雰囲気が好きで、世田谷区や目黒区を中心に探していましたが、当初から分譲マンションは選択肢にはなく、注文住宅かリノベーションのどちらかと思っていました。コーポラティブの手法をネットで検索したとき一番上にアーキネットが出ていて、さっそく会員登録をし、ちょうど目に留まったのがこの等々力のプロジェクトでした。等々力渓谷は行ったことがありましたが、等々力の街を歩いたことはあまりありませんでした。現地案内会に参加してみて、現地への道も、お寺や神社の景色も素敵で一目惚れしてすぐに申込みました。

自分たちに合ったプラン

キッチンやリビングがありましたが、一番長く居る場所なのでこれらを1階にしてもらいました。メゾネットタイプは初めてで、地下はどれくらい暗いのか、出来上がるまではわかりませんでした。地階と1階、範囲がおさまっている点が暮らしやすいと感じています。80u弱で、二人ならサイズ的にもちょうどいい、天井高も自分たちには心地よいです。

ひとつひとつ丁寧に

インフィルの設計にあたり、(建築家の)鹿嶌さんたちとひとつひとつポイントをお話ししました。まず、ひとりになれる空間がほしいと伝え、この書斎ができました。窓に向かって掘りごたつで、畳の上で仕事の合間にごろんとできる。夏は涼しく本も寝そべって読めるし柔らかい。狭いからこそ集中できる、いい空間になりました。お風呂も大きくとりました。床は提案されたヘリンボーンがとても気に入り、床暖房が設置できないとわかっても、ヘリンボーンを選びました。結果、素材感があり、落ち着く空間となって大変気に入っています。トイレの位置は、鹿嶌さんたちの提案で半地下、寝室とリビングの間、私と公の間にしたところ使い勝手が良く、気に入っています。キッチンは、二人とも働いているので効率を考え、吊戸棚はつけない、扉もつけない、食器も見せるつくりにしました。寸法については新聞紙を置いて幅を確かめました。玄関とキッチンの間のシューズボックスについては、大きさがあるので引っ越してから始めた宅配のハコ(生協)も収納できて便利です。

味わいのあるヘリンボーンのフローリングはオーナーが一目惚れしたもの
本と陽だまりに囲まれたリビング。
ベンチで寛ぐことも多い

2畳弱のこもり部屋。
隣のリビングに面した壁上部は
ルーバーにして通風を確保
鮮やかなブルーが印象的な主寝室。ドライエリアから穏やかに陽が入る

本と陽だまり

本棚をリビングに置きたいという希望がありました。これに対して鹿嶌さんたちの提案は、本に囲まれた空間で窓周りをベンチにすれば場所を変えながら本が読める、というものでした。サッシは掃き出しの案もありましたが、ベンチをつくるのでこの高さにしました。ベンチは結構使っています。日当たりがいいと、つい座りたくなってしまうのです。ベンチは収納にもなっていて、開き方も二通り(上蓋、引き出し)できめ細かく設計されていて使いやすいです。棚の寸法も細かく指定しましたが、内寸と芯々を取り間違えてしまって、ちょっと入らなくなったものもありますが、それはそれで工夫して収納しています。

要所要所に年代物

祖母からの鉄瓶、80年ものの株分けしてもらったシュロチク、ヴィンテージの椅子。古いもの、家族が受け継ぐものを取り込んでつながりを感じたいと思っています。家具はほぼ買っていません。細かく採寸して写真と一緒に鹿嶌さんに渡しました。玄関のガラス間仕切りはレストランでみてインスピレーションが沸き、同じようなものを入れてもらいました。

住んでみて

心地よく風が抜けます。夏もクーラーをあまり使いません。昔はシャワー中心でしたが、大きいお風呂になって最近はゆったり浸かって癒されます。表通りから離れている立地なので、静かで落ち着いた暮らしができています。また、コーポラティブ(でお互い知った仲)なので、通路を通る人影が見えると一緒に生活している感じがして安心感があります。共用部は基本的には分担して掃除しますが、気づいた人が能動的に行います。新しい植物を置くと「新しいのを置いたのですね、いいですね」と言われたりして、素直に嬉しい。挨拶もするし、補完しながら支え合う、そういう意味での適度な距離感が心地よいです。つくり上げていく過程で皆さんと一緒にお話ししながら2年弱、それが良かったと思っています。みんな価値観や年代も近く、6世帯という規模も良い、と後から気づきました。

今後

間取りはパーフェクトで要望通りに収まったと感じています。休日はゆっくりした時間が流れるのを感じつつ、まだ使いきれていない部屋、ドライエリアもあって、楽しみは残しています。少しずつ、二年に一度のペースで選びながら、北欧と日本の古いものを交えてインテリアをつくっています。次は天井に板でも貼ろうか、と相談しています。家をつくりながらお互いの好きなところ、こだわっているところが分かって、とても楽しい体験でした。

白を基調とした明るい水回り
1階と地階の中間階にあるトイレ。
手洗い上部もルーバー仕様で個室とつながる

住戸04 ワクワク感をちりばめる

参加のきっかけ

夢は、建築家にお願いして家をつくることでしたが、東京でそれを叶えるのは資金面で難しく、土地探しも大変だと思っていました。そんな中コーポラティブ方式を知って、「これだ」と。自分の好きな住まいを、建築家とじっくり作れることに魅力を感じました。
当時は築40〜50年をリノベーションした分譲マンションに暮らしていましたが、ある日天井からものすごい漏水があったのです。修理するには上階の家の床を剥がさないといけなかったりと大変でした。古いマンションでは自邸をどんなに綺麗にリノベーションしても隣家や共用の配管、電気系統が古いままだとダメだと実感しました。
アーキネットの会員登録は以前からしていたのですが、夫にコーポラティブハウスのプレゼンをどうしようか、と考えました。突然話しても「何それ」と言われかねないので、まずは新築マンションのモデルルームに連れて行き、「賃貸よりいいね」と思ってもらいました。次のステップでアーキネットの見学会に連れて行き、「いかようにもできるんだな」と知ってもらいました。
あとは、どういうプロジェクトだったら気持ちがいいか。等々力のプロジェクトは大きな屋上のあるプランで、パーティもできるので、人を呼ぶのが好きな私たちは屋上でバーベキューできるイメージを抱いてワクワクしました。
等々力という場所も緑が多いですし、多摩川をランニングコースにしていたので、それも継続できると思いました。夫婦とも地方出身で、実家に何かあったときには貸したり売ったりできるという資産性も判断材料のひとつになりました。6世帯という規模も魅力でした。

家づくりの方針

最初から方針ははっきりしていました。
1つ目は、光と風の通る家にしたい。インテリアの好みは変わっていっても、光と風は変えられないと考えました。
2つ目は、北欧風、西海岸風等というテイストを決めない。
3つ目はオープンで人が集まれる空間。
4つ目はワクワク感。生活していて楽しいかどうか。例えば屋上テラスや100インチの電動スクリーン、浴室のレインシャワーなど。コミュニケーションツールとして役立ちました。  

「窓」の工夫

「窓」については、どの程度開口部をとるかは構造計算が必要なので、最初に決めなければいけませんでした。リビングは3階にして広く使いたいので、南北両方向に大きい窓をとりたいと考えました。キッチンのL字のコーナー窓は大正解で開放感があります。
建築家との打ち合わせは5回程度でしたが、(建築家の)佐藤さんは宿題を出すのが上手なので、スムーズに進みました。最初の打ち合わせ時に窓の位置が決まったので、間取りはほぼ変わりませんでした。また、せっかく窓を大きくとったので、ウィンドウトリートメントはすべて天井付けにし、空間の縦の広がりを強調しました。とくに一番大きなリビングの南向きの窓はバーチカルブラインドにしたことで、すっきりとした印象になったかなと思います。

L字型のコーナー窓で開放感のあるキッチンスペース。
塔屋からの採光は階段を通して1階まで落ちる
玄関横の収納は
食材宅配のボックスを置くのにも便利

「部材」の工夫

「部材」については、とにかく毎週末のように床材、キッチンや水回りの設備機器から、タオルバーなどのこまごましたものまで、ひたすらショールームに見学に行きました。お仕着せのものではなくて、素材、素性を把握しておきたかったのです。
一番悩んだ床材は、新木場の材木問屋に直接足を運び、様々な樹種を見て夫婦で話し合いました。散々悩んで選んだのが、幅広のイングリッシュオーク。木肌の色や木目、節の温かみが決め手でした。悩んだ甲斐あってとても愛着があり、これからの経年変化が楽しみです。
部材選びはとても大変でしたが、ひとつひとつ比較検討できたので、納得感があってストレスはありません。そこが分譲住宅との違いなのかもしれません。部材を選ぶときは、質感はもちろんのこと、将来的なメンテナンスや手入れのしやすさも重視しました。結果としてステンレス、無垢材、ガラス質(ホーローなど)に統一され、メンテナンス道具も、同じクリーナーを使い回せるので合理的になりました。

「キッチン」の工夫

「キッチン」については、結婚する前に、夫が「いつかアイランドキッチンのある家に住まわせてあげる」と言ってくれたのを覚えていて実現した感じです(笑)キッチンがリビングの司令塔のようになっていて、料理をしながら夫やお客様と会話ができるので、これまでより料理が楽しくなりました。
収納は、建築家からオープンシェルフを提案されました。当初、パントリーをイメージしていたので使いこなせるか心配でしたが、ディスプレイする楽しみがあって、結果的に満足しています。キッチンの幅は、持っていたダイニングテーブルのサイズに合わせて決めていくなど、きめ細かくやりとりをしました。建築家との共同作業で作り上げたという達成感も感じられました。  

「収納」の工夫

「収納」については、当時、東日本大震災からまだ2年で地震に対して恐怖感もあり、造り付けの収納にしたいと考えていました。もともと持っていた家具はウォールナットが多かったので、造り付けの家具もウォールナットにしてもらいました。冷蔵庫も面材に合うものを選び、鹿嶌さん、佐藤さんもビシッと面を揃えてくれました。
設計時は、収納したいものをすべて書き出して大きさを測り、どこに何を収納するか図面に写真を貼ってシミュレーションもしました。入居時にかなり断捨離したつもりですが、まだまだ必要ですね(笑)また、全体的に凸凹したところがないので、掃除しやすいのも良かったです。

ワクワク感をちりばめる

屋上には、開放感・緑・ワクワク感ということで芝生を植えました。芝生は費用はかかってもワクワク感には代えられないと思いました。バーベキューもできるようにデッキを配置して、屋外水栓も設けています。レインシャワーも真っ先に減額項目になりましたが、ランニング後のレインシャワーというワクワク感には代えられないです。プロジェクター用のスクリーンを電動にしたのもワクワク感が基準になっています。  

暮らしてみて

新築なのに、ずっと前から知っている家のように、違和感なく自然に馴染みました。最初から「私たちの家」という感じで、慣れる必要がなかったのが不思議な感覚でした。工事中のコンクリート剥き出し時の見学会の際には狭いかなと感じた空間も、出来上がってみると十分大きくて、風も気持ちよく抜けて、良かったです。毎日、「いい家だね。」と言っています(笑)居場所がいっぱいあるのが良いです。在宅で仕事に煮詰まっても居場所を変えて気分を変えることができます。
冬には、ペントハウスでゆっくりココアを味わったりしています。屋上からは多摩川の花火大会も見えますし、お月見も楽しめます。芝生の上に寝そべってビールをのむ時間も最高です。何より一番良かったのは、一緒に暮らす人たちです。それぞれにライフスタイルを大事にされていて、過干渉でも無関心でもない距離感が心地よいです。  

ハイサイドライトで自然光を取り込む浴室洗面
コーナー窓とオープンシェルフで
圧迫感のないキッチン

芝生とデッキをバランスよく配置。水栓も設置した使い勝手の良いルーフテラス

建築家インタビュー

鹿嶌信哉(K+S アーキテクツ)
佐藤 文(同上)

敷地を見て

―――敷地を見て最初にどのようなことを考えましたか?

佐藤 周りがゆったりとした環境でしたので、建物を敷地いっぱいに建てるのではなくて、隣地との間にゆとりをもたせたいと思いました。また、建物のボリュームをできるだけ抑えて、戸建住宅が多い周辺環境に合わせることも大切だと思いました。

鹿嶌 6住戸の集合住宅ということで、どうしても、それなりのボリュームは生じてしまいますが、現地を訪れて、南側隣地(老朽化した平屋建)の様子は分かりませんでしたが東側は区の児童館だったり、隣地の環境は当分変わらないという印象があり、これを踏まえれば光が通り風が 抜ける計画ができるかなと思いました。

スケルトンの設計プランについて

―――スケルトンの設計を考える上でどういうことを大事にしましたか?

佐藤 スケルトンの段階では、住まいづくりの 自由度をできるだけ残したいと思いました。建築上の工夫としては、窓の大きさや位置、それに、水廻りの位置を自由に決められるようにしたいと考えました。また、通常の分譲マンションとは違い、梁ができるだけ露出しないようにボイドスラブという建築的技法を使って、室内空間を凸凹のない、大きなボックスのようにしています。

鹿嶌 コーポラティブハウスということで、6住戸のコミュニティが発生するのですが、設計者としては、玄関や窓の位置等をこちらでコントロールして対話が自然と生まれるようにしたいという思いがありました。例えば、玄関ドアに窓を設けたり路地に面した窓の一部は向かい合わせにしています。コーポラティブハウスでは建築前から参加者同士のコミュニティが出来ますのでこれらの提案を受け入れていただきました。

外観について

―――外観等についてイメージされたことは?

佐藤 はじめから窓サッシは黒枠、外壁は左官仕上げで優しく、地面からモコモコと生えてきた感じにしたいと考えていました。打ち放しだと素材そのものの強さはあるのですが、等々力テラスでは外観にもうちょっと違うキャラクターを持たせたいと思いました。

―――等々力テラスでは募集開始後にプラン変更を行いましたね。

鹿嶌 最初のプランでは、敷地内に駐車場があり、各住戸も階層的にできるだけフラットに使えるプランにしていました。ワンフロアを広く使えるプランでしたが、各住戸は比較的、均質なものでした。その後、駐車場を希望する検討者がそれほど多くなかったこともあり、アーキネットと相談してプラン変更を行いました。駐車場をなくして、その分、空間にゆとりをもたせて、メゾネットも取り入れようということになり、結果的に各住戸の個性がはっきりしておもしろいものができたと思います。

佐藤 元々、テラス等の外部空間を大事にするというコンセプトがあったのですが、ルーフテラスやドライエリアも均等に細切れにするのではなくて、独立性が高く、それぞれに特徴のある外部空間を用意するように工夫しました。

鹿嶌 幸いにして、建物が出来上がるとルーフテラスに芝生が敷かれて、何かあると皆さんでバーベキュー大会や花火大会などに使っていただいているようです。プライベート半分、パブリック半分という場になっていて、コーポラティブハウスの良さが出ていますね(笑)

佐藤 自分の住戸だけでなく、路地空間まで含めた空間を自分たちのテリトリーとして感じていただけているのではないでしょうか。

建設前の土地
児童館(写真左手)のグランドのさきに寺社の緑と空が見える
参加者募集時の模型
アースカラーの外壁、黒色のサッシ等、
建築家のイメージが表現されている

路地について

鹿嶌 路地は野の道というイメージで作りました。あえてガタガタさせて、土色に仕上げているのですが、小さいお子さんたちが路地でこんなに遊んでくれるとは思っていなかったです(笑)外の道路と比べて安全ですし、子どもにとっては、ちょうどいいスケールなのかもしれませんね。立体的な構成もユニークだと思いますが。

佐藤 今回のプランでは大きな吹き抜け空間はありませんが、メゾネットとして構成されている住戸では、(外周面が多くなるので)外部空間を含めた広がりが感じられます。その点でも自分のテリトリーが広く感じられると思います。

インフィルの設計プランについて

―――インフィル設計を進める上で特に気を付けたことはありますか?

佐藤 参加者それぞれの個性が際立つようにしたいと思っていました。ただ、参加者の皆さんがイメージしていることを私たちが正確に理解するには、どうしても難しいところが出てきてしまいます。参加者が本当に望んでいることは何なのかを、手探りで考えました。

―――手探りというと具体的にはどのようにやり取りされたのですか?

佐藤 例えばAさんは「白い空間」を希望していました。「白」といわれた場合、無機質な白もあれば、暖かい白もあります。参加者と本当に同じイメージを共有することは難しいことですが、その後のやり取りを通じて「ナチュラル志向で北欧的な白」だというのが段々分かってきました。

鹿嶌 Bさんの場合、ご自身はお風呂をそれほど重要とはお考えではなく、空間的に割り切っていました。一方で、お子さんのいる生活、みんなで食事して、お風呂も一緒、というのを大事にされているのが分かりました。そこで僕らが「リゾート感覚のお風呂」をイメージしてウッドデッキを提案したところ、採用していただきました。

インフィルの打合せ風景
模型を使いながら丁寧にイメージの共有を図りました。

   

佐藤 打合せでは参加者の皆さんは伝え方が上手でした。生活の中で何を大切にしたいか、どういう生活シーンを大切にしたいかということを具体的に話していただいたので、こちらもイメージを広げることができました。

鹿嶌 スケルトンのプランがはっきりしていたので、その分、インフィルにはキャラクターをもたせやすいというのもありましたね。竣工後に僕らと参加者全員で各住戸の見学会をしたのですが、皆さん、それぞれ個性的なインフィルの違いに驚いていましたね。

佐藤 盛り上がっていましたね(笑)

完成後

――― 参加者の皆さんが実際にお住まいになっている様子をご覧になっていかがでしょうか?

佐藤 それぞれ生活にこだわりを持っていらっしゃいましたが、「こころをかたちに」 を見ると、さらに生活を楽しまれているのを感じますね。私たちの想像以上です。どんどん住まいを成長させておられて嬉しいですね。

鹿嶌 私たちが読み取ったキャラクターは間違っていなかったと感じますね(笑)最後にでは、最後にコーポラティブハウスを設計された感想をお願いします。

佐藤 コーポラティブハウスの設計は初めてで不安もありましたが、本当に参加者の方々に恵まれたと思います。コーポラティブハウスに参加する方は社会性があって、しかも、キャラクターもしっかりしていて、自分たちの生活を大切にしたいという意識をしっかり持っていらっしゃいました。

鹿嶌 全6住戸の設計を同時並行して進めなくてはならないという、スケジュール管理の大変さはありました。インフィルの打合せは土曜日を丸一日使って、各住戸1時間半刻みで参加者全員と打ち合わせていきましたから(笑)。土曜日にそれをやって、翌日曜日には、打ち合わせの内容についてご家族で話し合っていただき、また、次の土曜日に私たちとの打ち合わせに来ていただくというペースだったと思います。たしかに、肉体的な疲労感はありましたけど、精神的には楽しかったですね。皆さん、明るくて、笑顔で、うきうき感が伝わってきました。それに、皆さん、家づくりについてよく調べていらっしゃった。住むことを大事にして、自分たちの生活をつくりあげようという思いが感じられました。本当に参加者に恵まれましたね。

インフィル打合せで使用されたより大きな模型。
メゾネット住戸の立体感がわかる
ドライエリアと室内のつながりを伝えるための検討用模型

インフィルの設計を終えて建築家の自邸で打ち上げを行いました。
雑誌「LIVES」(2015 vol.82)に
等々力テラスが掲載されました。

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